2018/04/05

フリーターでセミリタイアが出来るか考察してみました(後編)

前回の記事の続きです。




投資


投資には26,942円が使えますので、つみたてNISAを活用します。利益に対して20年間非課税です。個々のリスク許容度が大きいですが、運用期間を20年以上取れるので株式を組み込んだものを選ぶのも良いでしょう。


とにかく少しでも早く長くが鉄則です。投資については別記事をご参照頂くか、インデックス投資、オススメ本を検索して上位のものを図書館で借りて3冊読めば良いでしょう。個人的には「敗者のゲーム」「ウォール街のランダムウォーカー」を繰り返し読む事が有効に思えます。


投資する商品はiFreeS&P500インデックス投信が鉄板です。20年間保有すれば元本割れの確率はかなり少ないでしょう。実際、ドル建てではどの年代においても元本割れはしていません。ただし、インフレ負けしている時代はありました。30年間保有出来るのであれば、無双状態でしょう。非課税期間が終わった後も特定口座で保持をオススメします。


S&P500についての参考記事です



リスクを少し抑えるのであれば、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が最有力です。もしくはiFreeS&P500インデックス投信とキャッシュを半々で保有もオススメ出来ます。
投資については、セミリタイア後の後半での資金へとなっていきます。時間という誰にも平等で有効なものをとにかく利用します。


未来の事は誰にも分かりませんが、過去の歴史を参考にすると30年間保有した場合のS&P500インデックスの平均リターンは6%とみても良いでしょう。30年という期間であれば最頻値を考えてもそこまで大きく割り込む事は少なくなります。市場の動きで短期的に半額はあり得るかも知れませんが、長期で回復を待つ余裕さえあれば良いのです。


超長期保有の参考記事です


複利計算機によると、初月の26,942円は30年後には5%で運用出来ていれば116,442円となります。18歳もしくは22歳から働き初めた場合、48歳か52歳には実質リタイアが見えてきます。貯蓄部分も同様の金額で貯めているなら1080万円となっています。年金の支払いは現金で何とかなる金額です。



セミリタイア出来るまでの年数


なにぶん、収入面での増加が厳しい為、時間はかかります。上記の貯蓄と投資であれば、30年あれば安全圏です。短期的なアルバイトで収入を得る生活を良しとするなら、生きていく上で困ることは皆無でしょう。ただし結婚はともかく子供は諦める必要がありそうです。


問題は30年間フリーターをやり続け等れるかどうかです。正直、この部分が一番厳しいです。仕事自体は何とかなるとは思いますが、仕事の長期安定が難しいからです。仕事が無い時に貯金を崩すとアウトです。30年間のうちに不況は必ず訪れます。その時に高時給の仕事がなくなるかも知れません。最低時給の仕事を奪い合う事も考えられます。ここらへんはやはりサラリーマンの福利厚生は優れています。転職をするにしても、失業手当てが多少期待出来ますし、長期に渡って病気になった場合も傷病手当てがあります。



勝手な結論


フリーターでセミリタイア、リタイアは試算上は可能ですが、私の感じでは限り無く厳しいです。仕事の継続性と、福利厚生が無い事が致命的です。


少し条件を上げて、派遣社員や契約社員はどうでしょうか。厚生年金、社会保険が会社と折半はかなり有利な条件です。また、雇用保険もあります。手取りがもし増えるとしたら、その分セミリタイアも早まります。



派遣社員、契約社員で再チャレンジ


有期契約の場合なら手取り金額18万円くらいは期待出来ると思うのですが、多少は付き合いでの出費が増えるかと思います。職場次第ですが残業代があれば、更に増えるでしょう。ある程度の確定収入があれば、ふるさと納税等も有効利用が可能です。

ふるさと納税の参考記事です


22歳から働き初めて、20年働いた後リタイアを目標とするとどうでしょうか。年金が減るにしても65歳から貰えると仮定して、43歳までにお金の大半を用意するシミュレーションです。


20年の労働で22年分の生活費を用意が必要となるので難易度が高いです。反面、生活費が少なく済むという事は有利です。また43歳までなら仕事は得やすく、頑張りもきくと思います。フリーターより転職面でも有利です。


セミリタイアという事で、最低限の健康保険、住民税、年金の支払いはアルバイトでまかなわないと立ちゆかないので、20年の労働後にセミリタイヤ、ここらへんを着地点としてみます。


基本生活費は10万円ですので、年間120万円、22年分で2640万円です。


手取り18万円のうち、月8万円を貯めていきます。これでもかなり危ういでしょう。単純に預金だけだと8万円×240ヶ月で1920万円にしかなりません。


そこで半分の4万円はキャッシュ、半分の4万円はifreeS&P500インデックス投信を使います。20年で預金は960万円となるので、切り詰めれば10年は生活が出来ます。年金等の支払いも必要ですので、細々とアルバイトをするのでそこまで切り詰めれなくても良いかも知れません。むしろ、生活に余裕が出るかも。20年働いた時点でセミリタイアは達成です。


あとは残りの投資部分です。投資の項目で既に書きましたが、株式のインデックス運用は長期になればなるほど有利です。30年のS&P500指数はサンプル数はほとんどありませんが、30年かけてS&P500インデックスが元本割れする時は世界経済も崩壊していると思います。リアル北斗の拳の時代に備える必要があります。


超長期保有の参考記事です(上記でも出したものと同じです)



再度まとめます


・最初の20年を労働に邁進する

・生活コストをとにかく抑える
    (月10万円での生活を徹底する)

・月4万円を貯金する

・月4万円をifreeS&P500インデックスで投資する



20年後の生活


960万円の現金があるので、これをベースとしてアルバイトをしながら年金等を支払い10年間生活をします。住みやすい地域へ移住を考えても良いでしょう。支出のコントロールさえ出来ていればセミリタイヤは20年で手が届くという事が見えてきました。



30年後の生活


月4万円を20年に渡り積み立てていたので、これを20年に渡り取り崩していきます。間の10年は更なる安定と運用益を得るためです。注意するのは金額で取り崩すのではなく、投資した投資信託の口数で取り崩す事です。もしくは20分の1、19分の1、18分の1と年々取り崩していくかです。口数でいけば最初に投資した4万円の投資信託は5%の複利回りで172,874円となっているはずです。毎月これくらいを20年かけて受け取れます。運用利益への課税があるので実質は146,299円くらいが目安になります。余裕があれば30年かけて取り崩せば年金と合わせて平均寿命を全う出来る計算です。


もちろん相場の動きがありますので、これより少ない月が続く事もありますが、生活コストを維持出来れば年金を支払っても余裕があります。もちろん、相場が良い時はこれ以上の金額が十分に期待出来ます。20年、毎月投資をするという事は、投資した時が下落相場の時もあります。そういった年に購入したものは30年後にはかなりの確率で172,874円を上回ってくるでしょう。


ほぼ年金、保険料の支払いもまかなえる金額が20年間に渡り確保出来ます。52歳から72歳ですので、年金を考えると生活コスト分を引き出し、余裕のある分は貯蓄をしておく事で年金と合わせて生活が出来そうです。



まとめ   ~何とかなりそう~


書いていてこれはボツ記事になりそうと思いましたが、生活コストさえ切り詰める事が出来れば、20年間の労働で法にふれる事無くセミリタイアが可能そうです。そう考えるとけっこう凄いです。


ですが、かなり強い意志が必要な事は間違いありません。また人生後半戦は全て株式投信からの運用益に頼る為、ここも資本主義経済への信頼と強い意志が必要です。下落相場を見ながら4万円を投資し続けるという事はかなり精神的にくるものがあります。


しかし実際に良い線はいっていると思います。20年で労働から身を引き、30年で経済的自由を達成可能です。勿論、実家に頼れる人は思い切り頼って、安定してから世捨て人という生活も可能です。ネットでは酷い書かれ方をされてたりしますが、実家や親を頼れるなら頼った方が良いです。あらためて学生時代の私に聞かせてやりたい話です。




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