2018/03/17

昔のシーゲル派を思い出して書き綴る(長文注意)


ネットの海には様々な○○派が存在します。パッと思いついたのは、たけのこ派ときのこ派です。


さて投資の世界でも、様々な○○派があります。私もその昔シーゲル派というところに属していました。意外に書くネタが多そうなので、私がリーマンショック以前より見てきた事も含めシーゲル派という人々について書きます。




今日はシーゲル派という人々のお話しです。
※下記は全て私の意訳とイメージです。少しお得にというテーマを提供出来ているかは分かりませんが、昔の投資環境等が何かの参考になれば幸いです。間違いがありましたらご容赦下さい。読み進めて長そうなら戻るキーをオススメします。長いので。



まずはインデックス投資派について


株式投資投資は個々に値上がりしそうな銘柄を買うだけではなく、日本であれば日経平均のように分散された指数そのものに投資をすると言う方法があります。


インデックス投資とかパッシブ運用とか呼ばれています。メリットとしては、上がる銘柄もあれば下がる銘柄もある中で、一社集中でなく分散投資が出来る事です。たくさんの銘柄に分散する事で極端な話、倒産等のリスクが回避出来ます。


デメリットとしては、沢山の銘柄を指数に連動するように買付をしたり保有するので信託報酬と言った運用コストがかかります。数年で10倍みたいな大きな値上がりも期待出来ません。日本のバブル期で4倍くらいでした。


株で一発当ててやろう、という方法ではありませんが、過去の事例から見るとアメリカでの株式投資は過去200年の中で年平均6.8%のリターンを出しています。これを長期保有して複利の力を借りる事で、30年という長期なら誰でもある程度の資産を築ける、というのを利用するがインデックス投資派と呼ばれる人達になります。非常にスマートです。


パッシブ運用の反対側にはアクティブ運用があります。投資のプロが市場平均を上回るように銘柄選択をして運用してくれます。が、実際のところプロに払う手数料分、リターンは減りますのでパッシブ運用が有利という事が多いようです。下記画像はパッシブ運用の雄バンガード社の資料です。非常に分かりやすい資料です。



今はインデックス投資をしやすい環境だったり、投資ブログもたくさんありますが、それこそ15年くらい前はインデックス投資に向いた金融商品が全然無い時代でした。


ネット証券が徐々に勢力を強める事で現在のような良い環境が生まれました。インターネット様々です。とは言え、本当に良くなったなと実感出来るのは2017年後半とごく最近の事です。


インデックス投資派の人達は『ウォール街のランダムウォーカー』『敗者のゲーム』あたりをバイブルとしているかと思います。この2冊は別記事で軽く紹介しております。本当に名著ですので、投資に興味のある方は図書館で借りて読む事をおすすめします。インデックス投資最高!となる事受け合いです。



シーゲル派の紹介


ジェレミー・シーゲルという学者の著書で『株式投資の未来』という本があります。過去200年間の投資についての結果を主題について書いた本です。2005年の本なので、もう13年も前なのですね。私も年をとるはずです。通称、赤本と呼ばれています。


シーゲル神画像と呼ばれるような画像を下記に貼っておきます。多分、投資を調べているとたくさんのサイトで出てきます。



この本を読んで、多大なる影響を受けた人々がシーゲル派と呼ばれるわけです。今はアメリカ株派なのかな?


株式200年リターンの図はシーゲル教授が調べた研究結果ですね。元々、シーゲル教授も赤本といわれる株式投資の未来以前の本では、インデックス投信を長期保有せよ、しからば道は開けん。みたいな事を上記の図を用いて話していたのですが、赤本から話は一変します。


株式は超長期で持てば大きなリターンがある。だが、もっと研究していくうちに市場平均を上回る黄金銘柄の存在が分かってきた、と書いています。


具体的例でいくと、コンピューター時代の幕開けともいえる時期のIBMと、既にロートルビジネスと化したPhilip Morrisを引き合いに出します。


結果はPhilip Morrisが圧勝過ぎて、読んだ人間を全員Philip Morrisの虜にする程のインパクトがあったと思います。実際買った人もたくさんいるでしょう。私も個別株は極力買わないと思ってましたが知らないうちにMOを買っていました。


理由としては単純で、低い期待値、高い成長率、高い配当の再投資が合わさり、市場平均を9%くらい上回ってしまいます。


更に、こういった黄金銘柄には傾向がある。それはDーIーVだ、と言い出すのです。Dividend=高配当、International=国際企業、Valuation=バリュエーション(低期待値)の銘柄が最高だというのです。


市場から期待されていないが、国際的に展開していて、稼ぎまくって高い配当を出せる企業という事です。世界的生活必需品メーカー、世界的医薬品メーカー、石油メジャー等がそれに当たります。


こういった企業は、『成長の罠』と呼ばれる期待されすぎるが故の高値掴みからも無縁で、ひたすら高い配当を積み重ねて一財産築く事が可能だったのです。


どのような銘柄が好まれたのかは、本を読むと一掃楽しくなります。私が好きな銘柄、ティッカーコードはXOM、PG、JNJ、KO、MOです。


まぁ、こういった内容が各所に散りばめられてはおり、読めば読むほど投資せねばという気持ちに駆り立てられる本であります。



昔のシーゲル派の人たち


今から10~12年前、私は良くにちゃんねるに入り浸っていました。最近ではスマホ関連を覗くくらいです。


当時はまだインデックス投資をするにも、まだ海外株式は庶民には触れない時代でした。そんなもやもやした状態の中、2007年に楽天証券が蛮行とも言えるべきアメリカ株取り扱いを始めました。


そこからはお祭りです。とはいっても、IVVとSPYいうS&P500ETFが信託報酬0.8%だ0.9%だとか、いや信託報酬は0.18%と高いけどダウ平均のDIAの方がシーゲル銘柄が比率高いとかで騒いでいました。


今だとiFreeS&P500かダウ投信で一撃です。しかも日本円で特定口座まで使えます。


シーゲル派はバカにしていましたが、垂涎の眼差しで新興国ETFであるEEMを見ていた時代でもあります。確か信託報酬0.77%とかだった気がします。成長の罠にはまらず尊師の教えを貫く派が多く、インデックス派のスレが新興国への投資先に中国やインドと侃々諤々と議論している中、一種異様な雰囲気でした。どこのスレを見ても、新興国の割合をどれくらいにするかを悩む中、まだ買えない個別株の話で盛り上がっていました。


そうこうしているうちに、個別株が徐々に充実し、シーゲル派が好みそうであろうセクターETFも登場します。ヘルスケアセクターのIXJと生活必需品セクターのKXIです。


この二大商品に大喚起です。他のセクターETFは話にも上がりません。どちらが将来のリターンを得られるかを当時は真剣に掲示板でやり合ってたような気がします。


私は悩んでも分からないので両方買いました。わざわざ手数料払ってドルに変えて、海外ETF買付手数料25ドルも払っての購入でした。当時のドル円がいくらだったかは記憶にありません。多分、人間いらない事や都合の悪い事はは忘れていくように出来ているのでしょう。


そうこういっている間にサブプライム問題とリーマンショックがにちゃん全体どころか世界を恐怖に陥れます。


当時は新興国も熱かったですが、それ以上にFXに熱中している時代でもありました。私はせこせこと手動で香港ドル/ドルでハイレバロング戦略とかして遊んでいました。あまりに動かないしリスクが大きいので撤収して暇を持て余していたので、ドル円123.45円記念ロングとかいう事をしたあたりが暴落の始まりだった気がします。


ポンド円が240円、ユーロ円が170円で世の中回っていたところ、ポンドが下り最速の名を欲しいままにロング勢を刈りまくっていたのを覚えています。キウイ、羊という呼び名も恐怖の代名詞になっていました。あまりに愉しすぎて市況2板だったか通貨専門の方に入り浸っていました。


スワップ派というのも一時代を築いていました。当時のスタッフがトルコリラ最強と言ってるのを聞いて無理しないように、と言っていた翌月あたりに年収を溶かしていました。


まぁ、それでも昨今の仮想通貨よりは緩やかな感じでした。ゆるゆる上げて、フワフワさせてリーマンショックで全滅くらいの感じでした。


さて、我らがシーゲル派に話を戻します。市況2板は阿鼻叫喚で、様々な名言や、もうどうにでもなあれAAを生み出していた頃、徐々にインデックス派の元気が無くなっていきます。振り落とされていく人々を励ましていたのが、最古のインデックス派と言っても良いレジェンド級の投資ブロガーさん達だと思います。


その頃、シーゲル派はスレッドタイトルが【動かざる事】シーゲル派4【山の如し】とか書いていて、最後の砦っぽい感じです。まるで梁山泊です。FXでは買い豚、売り豚という言葉でお互い罵りあっていましたが、シーゲル派には世界というか資本主義が揺らいでいる中でさえ買い豚しかいませんでした。


ここらへんでがっつり買い込んだ人たちは、今でいう億り人への足掛かりにした、とかはありそうです。一方、私はというと人材サービス業に勤めており、リーマンショックの煽りをうけて倒産→無職という危機的状況で自分の命を繋ぐ為に現金が必要でした。もっとお金いっぱいあればなぁ、と思いましたが、そこから畑違いの有形ビジネスに転職してまずは生きること優先でした。コツコツ積立投資をして、思い出した頃に海外ETFをほんの少し買い足すくらいの行動しかしなくなり、すっかりネットで投資関連を調べるのをストップしていました。


たまにはチェックしたりして、CMAMという名前はカッコ悪いけど、日本除く世界株式と1306で世界投資出来るなぁ、程度でした。確か積立をして、何かに変換されているはずです。そうこうしているうちに、2012年末の政権交代であれよあれよと円安になり株価は回復し、私は人生の伴侶を得ていたりします。


そういえば、2012年11月下旬からフランス旅行へ行っていたのですが、ユーロが毎日1円ペースくらいで上がっていたりしました。1ユーロ100円を切っていたので、今から考えるとそりゃヨーロッパ行くわな、とも思います。


さて、時は流れて現代に戻します。



今のシーゲル派


今は、にちゃんねるを見に行ってもスレが無いんですよね。誰もいなくなったのか流行らなくなったのか。寂しい次第です。


ですが、意外にネットを見るとシーゲル派はいるようで、ブログ等で発信したり元気そうです。もしかすると当時のスレで書き込んだ人もいるかも知れません。アメリカ株メインの人達は、新しき時代のシーゲル派なのでしょうか。


昔はシーゲル派といえば変わり者で、あそこの連中が株を売り出したら本当に資本主義の終わりだ、とか書かれていました。インデックス派のスレを見るとスマートな人達ばかりに思えていました。


今のシーゲル派の人達を見ると、なぜかインデックス派の人達のスマートさを持ちながら、シーゲル派の逞しさを感じます。



まとまらないのでまとめます


何にせよ、当時は買えなかったアメリカ株や、S&P500投信が本国並みの信託報酬で買えるようになったのはありがたい事です。子供の誕生祝いに証券口座作って買ったのが、信託報酬0.5%のダウ投信と信託報酬0.25%くらいの外国株式だったはず。。どこの会社の投信かも覚えていない。。今はジュニアNISAでVTI投信を毎月1万円積み立ててるから、それで勘弁して貰おう。


一方、私はというと、昔買った海外ETFとかは一部記念に残しながら、今後は基本VTI投信等のインデックス派になっていきそうです。つみたてNISAもある事ですし。うちの子供はスマートなインデックス派に育って欲しいものです。




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